http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130128-00001583-davinci-ent
志名坂高次のマンガ『凍牌』の映像化が決定するなど、『咲-Saki-』や『アカギ』をはじめとして、麻雀マンガが最近、盛り上がってきている様子。でも、マンガの中で描かれる麻雀の試合は、とんでもない展開や思わずツッコミをいれたくなるようなエピソードがたくさんある。そこで、統計学、数学に基づいた麻雀を実践し、『科学する麻雀』の著者であるネット雀士・麻雀研究家のとつげき東北さんに、“合理的でない”麻雀マンガというテーマでオススメの麻雀マンガを紹介してもらった。
【1位】 『咲ーSakiー』(小林立/スクウェア・エニックス)
麻雀が高校生・中学生の競技公式大会も行われるほど広く浸透した世界を舞台に、全国高校生麻雀大会(インターハイ)優勝を目指す清澄高校麻雀部と、その新入部員である宮永咲が活躍する物語。
「主人公、咲の得意技が嶺上開花(りんしゃんかいほう)という狙ってはできないような発生率の低い役であることが、そもそもツッコミどころ。しかし、何よりも、あんなに登場人物が激しく動き回っているのに、絶対にスカートの中のパンツが見えないのが非合理で腹立たしい!」
【2位】『アカギ』(福本伸行/竹書房)
“伝説の雀士”赤木しげるが数々の修羅場をくぐり抜け、裏社会で伝説を築き上げていくまでの物語。
「まず、今まで麻雀をやったことのないアカギがいきなり麻雀の代打ちをやらされるという最初の展開から「無茶だろ!」って笑いながら読んでしまう。そして、何より強敵・鷲津との戦いが始まってから連載がだいたい14年ほど続いているんだけど、アカギたちは1局に何年かけてるんだろう(笑)!?」
【3位】『牌賊! オカルティ』(片山まさゆき/竹書房)
プロの競技麻雀の世界で、効率や確率だけを信じる「デジタル」派と、根拠不明な理屈を信じる「オカルト」派との争いを中心に描いた作品。
「読者の大多数がオカルトなので麻雀マンガではデジタルは噛ませ犬ポジションなんだけど、このマンガでは新旧のオカルトも対立しているところが面白い。オカルトでありながらシステマティックな打ち方を提唱しているのは斬新でしたね。どちらにせよ非合理だけど」
【4位】『ムダヅモ無き改革』(大和田秀樹/竹書房)
日本内閣総理大臣である小泉ジュンイチローが、北の金将軍やブッシュ、プーチン、ベネディクト16世などと、麻雀外交を繰り広げるという作品。
「国際問題に発展するようなきわどいネタをいれこんでくるところが、実に振りきれている漫画。小泉総理の使う、牌の模様を親指で削りとって白に変える「轟盲牌」という技なんて非合理すぎていっそ清々しい!」
【5位】『まあじゃんほうろうき』(西原理恵子/竹書房)
新人マンガ家時代の西原理恵子が、麻雀マンガ雑誌の編集から声をかけられことをきっかけに、麻雀にのめりこんでいった経験をコミック化した作品。
「通し(サインで自分の必要な牌を仲間に教えるイカサマ)を使おうと練習するが、必要な牌がわからなくて使えないとか、原稿料が入って帰宅したら窓枠を外して麻雀仲間があがりこんでて麻雀で原稿料とられたとか、エピソードの全てが非合理。本当に素晴らしい」
最後に、とつげき東北さんから今回のベスト5についてコメントをいただいた。 「私は人生をより合理的に生きようと思い、現在、国家公務員として勤めておりますが、最近になって給料が下がり続けており、合理的に生きていても何が起きるかわかったものではありません。人生万事塞翁が馬、非合理に生きていくのもなかなかいいことかもしれません。」 とのこと。
(とつげき東北さんプロフィール)
2001年に東北大学工学部通信工学科卒業、国家公務員として勤めながらネット雀士、麻雀研究家として活動。「システマティック麻雀研究所」を設立し、麻雀の戦術論に関する研究を重ね、2004年、『科学する麻雀』を出版した。
(ダ・ヴィンチ電子ナビ「○○な本ベスト5」より)
突っ込みどころがおかしいwww.